うさぎの体のケアは、病気の予防のためにとても大切です。
特にブラッシング(グルーミング)は、うさぎにとって重要なケアの1つです。
「毛球症(もうきゅうしょう)」や「皮膚炎」といった病気はたびたびうさぎに見られます。
ブラッシングを習慣にすればこういった病気を予防し、健康状態のチェックも行えます。
ブラッシングのやり方
うさぎの基本的なブラッシング方法を、「毛が短いうさぎ」と「毛が長いうさぎ」の場合に分けて紹介します。
毛が短いうさぎ(短毛種)の場合
出典:町田修『うさぎ 長く、楽しく暮らすための本』池田書店、2009年、p.124
ブラッシング前に、水または「グルーミング用スプレー」をかけます。
そして、ラバーブラシを毛の流れに沿って背中からお尻へ、お尻から背中へとかけ、体全体をブラッシングしていきます。
仕上げに「豚毛ブラシ」をかけて、毛並みを整えてツヤを出します。
毛が長いうさぎ(長毛種)の場合
出典:町田修『うさぎ 長く、楽しく暮らすための本』池田書店、2009年、p.125
まず、うさぎの目に入らないように「静電気防止スプレー」をかけます。
両目ぐしで体全体をとかしていき、毛玉があれば、根元から優しくほぐして取り除いてあげます。
その後、グルーミングスプレーをかけます。
お尻周りは毛の流れと逆に、ほかは毛の流れに沿って浮いた毛にスリッカーをかけます。
最後に豚毛ブラシでブラッシングをして完了です。
ブラッシングの道具
うさぎのブラッシング用の道具にはいろんな種類があります。
出典:町田修『うさぎ 長く、楽しく暮らすための本』池田書店、2009年、pp.124-125
- 「ラバーブラシ」は、抜け毛がよく取れ、血行をよくするマッサージに効果的です。
- 「スリッカー」は、小さな毛玉を取るのに適していて、毛玉ができやすいうさぎにおすすめです。
- 「豚毛ブラシ」は、血行促進やツヤ出しなど、毛をきれいにする効果があります。
- 「両目ぐし」は、毛が長いうさぎ用のブラッシングです。
- 「グルーミングスプレー」は、ブラッシング前に毛にもみこむと汚れが浮かびます。
- 「静電気防止スプレー」は、ブラッシングによる静電気を防ぎます。
そして、顔の周りやお腹などデリケートな部分は、飼い主の手を使ってブラッシングするのもおすすめです。
ブラッシングをする頻度
ブラッシングは定期的に行う必要があります。
そして、うさぎの種類や毛の質によってその頻度は異なります。
目安として、毛の長いうさぎはできれば毎日、毛が短いうさぎでも3日に1回が目安です。
換毛期(体の毛が生え変わる時期)にはできれば毎日行うのがおすすめです。
毎日のブラッシングが大変だという場合は、「数日に1回は手のブラッシングのみにする」など工夫をするといいでしょう。
うさぎがブラッシングを嫌がる場合
普段うさぎが過ごす縄張り以外の場所で行うとよいでしょう。
場所が変わることでうさぎの意識がそちらに向きますので、暴れたり逃げたりという抵抗が少なくなります。出典:町田修『うさぎのお悩みQ&A事典』マガジンランド、2013年、p.97
抱っこや体をいじられるのを嫌がるうさぎはいます。
それでも抜け毛を取りのぞいてあげることは大切なことなので、根気よくチャレンジしましょう。
その場合は飼い主の手を使ってブラッシングをする方法があります。
飼い主の手に「グルーミングスプレー」か「水」をつけて、うさぎの毛に揉み込むようにつけます。
そして体全体をなでながら毛並みを整えるようにブラッシングしていきます。
ポイントは「なでることで抜け毛を浮かして、取り除いてあげる」ということです。
まとめ
病気の予防につながったり健康チェックができるなど、ブラッシングをすることで得られるメリットはたくさんあります。
換毛期はブラッシングをしてもしても抜け毛が止まらず、ちょっと大変になってしまうかもしれません。
しかし、うさぎのブラッシングは健康を維持するためにとても大切なのです。
ブラッシングが終わったらご褒美におやつをあげるなど、お互いに楽しみながら頑張りましょう!
<この記事の参考文献>
町田修『うさぎのお悩みQ&A事典』マガジンランド、2013年。
町田修『うさぎ 長く、楽しく暮らすための本』池田書店、2009年。