うさぺっと

ただのカゼじゃない!うさぎのスナッフルは危ないサイン

スナッフルとは、「うさぎの呼吸器が異常を起こしている状態」のことを言います。

うさぎは基本的に鼻で呼吸をする動物です。
鼻炎や気管支炎などが起きると、鼻で呼吸がしにくくなり、うさぎにとってかなりストレスが溜まります。

ただのカゼのように見える症状でも、安易にそのままにせず、異常が見られたら適切な処置が必要です。

うさのすけ
最近、鼻水とくしゃみが止まらないんだよ。
カゼひいたのかな?
ぴょんた
ひょっとして、それスナッフルかも!
放置せずに動物病院に行った方がいいよ。

スナッフルって何?

スナッフルは、うさぎでよく見られる呼吸器の症状のことです。

別名「鼻性呼吸(びせいこきゅう)」「慢性鼻炎(まんせいびえん)」ともいわれ、肺炎や上部気道(鼻から喉頭)の病気を引き起こすこともあります。

進行すると死に直結するような重い症状が出ることもある怖い病気です。

どんな症状がでるの?

風邪のひき始めのような症状があらわれたら、スナッフルの感染を疑ってください。

膿性の鼻汁が鼻孔周囲に付着しています。ウサギは基本が鼻呼吸です。

スナッフルで鼻炎が進行して、鼻腔内が膿性の鼻汁で一杯になりますと鼻呼吸がスムーズにできなくなり、ストレスが溜まります。

出典:もねペットクリニック

初期症状はどんな感じ?

初期のころは一見、ただのカゼのような症状がみられます。

さらさらとした鼻水やくしゃみくらいしか目立った症状がないので、スナッフルと判断するのは難しいです。

症状の進行とともに色んなところに異常が・・・

しかし、症状が進行してくると、さらにさまざまな異常が出てくるようになります。

スナッフルの特徴的な症状を以下にまとめました。

  1. くり返すくしゃみ
  2. 鼻水(白色〜黄色、初期はサラサラとしているが悪化するとネバネバになる)
  3. 鼻周囲の毛がゴワゴワに硬くなる、鼻水が付着して固まる
  4. 大量の涙が出る
  5. 目ヤニが出る
  6. 目の炎症(結膜炎や角膜炎)が起きる
  7. 呼吸している時に変な音がする
  8. 食欲がなくなる
  9. 口を開けて呼吸をするようになる(開口呼吸)

鼻の周りの毛が、長引く鼻水によってゴワゴワと硬くなることがあります。
また、鼻を気にして前足で触れることで、足先の毛も固まってしまうこともあります。

ほか、鼻涙管(びるいかん)という涙の通り道となる細い管がつまり、涙が止まらなくなったり、目ヤニが大量に出たりすることがあります。

角膜炎や結膜炎といった目の炎症が起きる可能性もあります。

悪化すると死につながる重篤な症状に

特に気をつけなければいけないのが、「口を開けて呼吸をしている状態」です。

うさぎはふつう、口を閉じて鼻で呼吸をする動物です。
鼻炎などで鼻での呼吸がうまくできなくなるとストレスが溜まり、食欲不振になることがあります。

気道がふさがりかなり息苦しい状態になると、口を開けて呼吸するようになります。

この場合は命の危険がありますので、すぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。

スナッフルの原因

スナッフルの原因には、おもに以下のようなものが挙げられます。

  • 病原菌
  • 歯の病気(歯根膿瘍、不正咬合など)
  • 鼻に入った異物
  • 不衛生な環境
  • 多頭飼いによる感染

赤ちゃんうさぎや、高齢のうさぎ、体が弱っているうさぎが発症しやすいので、とくに注意が必要です。

不衛生な環境からスナッフルになることも

不衛生なケージやトイレ、複数のうさぎを飼育しているなどの環境が原因となることもあります。

アンモニア濃度の濃い環境での飼育はよくないので、排泄物の掃除や換気は意識して行いましょう。

スナッフルを引き起こす病原菌
スナッフルを引き起こす病原菌には、「パスツレラ菌」「気管支敗血症菌(ボルデテラ菌)」「黄色ブドウ球菌」などがあります。

ただ、こういった病原菌は、体内に入ってきても必ず発症するものではありません。

環境を整えて予防しよう!

スナッフルを予防するには、過ごしやすい温度や湿度、そしてきれいな環境を用意してあげることが大切です。

以下にスナッフルの予防につながる5つのポイントをまとめました。

予防の5つのポイント
  1. 急に温度を変化させないようにする(特に高温にならないように注意する)
  2. 湿度が高くならないようにする
  3. トイレの掃除をこまめにする
  4. 時々室内の換気をして、空気の入れ替えをする
  5. スナッフルに感染している他のうさぎに近づけない

衛生的な飼育環境はもちろんのこと、感染の疑いのあるうさぎとの接触は避けましょう。
スナッフルは伝染力がとても強い病気なので、もし多頭飼いしている場合は隔離が必要です。

どんな診察や治療を行うか

鼻腔や副鼻腔の状態を詳しく確認するために、頭部CT検査を行うことがあります。

細菌感染によるものでは、培養同定(細菌を培養して、その種類を調べること)した結果に基づき治療をします。

出典:大野瑞絵『よくわかるウサギの健康と病気』誠文堂新光社、2018年、p.97

病原菌が原因であれば、「培養検査」をして原因の菌を特定し、その菌に合った抗生物質を投与します。

スナッフルは呼吸器だけでなく、体の広い範囲で対処をしていく必要があります。
そのため最初の診察では、うさぎの鼻の中の状態や、目や耳、歯など体全体の状態を調べます。

また、食欲がなかったり元気がないうさぎには点滴をすることもあります。

治療費はどのくらいかかるの?

下記に治療にかかった費用の事例をまとめました。
症状によって費用は変わってきますので、あくまで参考程度にご覧ください。

病院名 具体的な症状 費用
ひまわり動物病院 白っぽい目やに 3,000円
長居動物病院 さらさらした鼻水 1,944円 (診察料+抗生剤1週間分+etc)
うぐい動物病院 粘り気のある鼻水 3,000円
もみの木動物病院 くしゃみ 3,000円
きたぞの動物病院 くしゃみ 1,200円

参考:動物病院口コミ検索Calooペット
(2018年9月21日現在)

まとめ

スナッフルの初期の症状は、鼻水やくしゃみといったまるでカゼのようなものです。

「そのままにしても大丈夫だろう」と安易に放置するのは危険です。
どんどん悪化して呼吸が苦しくなってしまい、最悪の場合、急死してしまう危険性もあります。

そうならないためにも、スナッフルの予防のために清潔な環境作りをしてあげる必要があります。

もしもうさぎの体調がおかしいなと感じたときは、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

うさのすけ
スナッフルって恐い症状なんだね。。。やっぱり病院に行くことにするよ。
ぴょんた
感染前の予防がいちばん大事だけど、少しでも体調がおかしければ病院に行くことをすすめるよ。

 

<この記事の参考文献>
大野瑞絵『よくわかるウサギの健康と病気』誠文堂新光社、2018年。
ウサギぞっこん倶楽部『ウサギの気持ちが100%わかる本』青春出版社、2005年。