「ソアホックはどんな病気?」「予防法はあるの?」などなど、ソアホックに関する情報をまとめてお伝えします!
ソアホックってどんな病気?
ソアホックとは、足の裏がタコのように固くなったり、炎症で赤く痛々しい状態になったりする症状のことです。
主に後ろ足のかかとに発症しますが、まれに前足に症状があらわれることもあります。
炎症が起きている部分が不衛生な状態だと、そこから細菌が感染し、重症化してしまうこともあります。
ソアホックになる原因って?
うさぎの足は肉球がない代わりに、ふさふさの毛で覆われています。
肉球の代わりに被毛が足の裏のクッションになっている訳ですが、何かが原因となって、足の裏に負荷がかかってしまうと血のめぐりが悪くなり、ソアホックを引き起こしてしまいます。
その要因として以下のようなものが挙げられます。
- 太りすぎ
- もともと足の裏の毛が薄い(遺伝や品種によるもの)
- 爪の伸びすぎ(丸まって爪が伸びてつま先が浮き、かかとに負担がかかる)
- 老齢や病気が原因であまり動かない
- ケージが狭すぎる(じっとしている時間が多い)
- ケージが不衛生、湿っている(ふさふさの毛が湿ってクッションの役割をしない)
- 金網など床が硬すぎたり、刺激がある床材(マツやスギなど)
- スタンピング(足踏み)をよくする
ソアホックにならないための対策と予防
ソアホックを起こさないための予防法には以下のようなものがあります。
- 肥満にならないようにする
- こまめに爪を切る
- 適度な運動を心がける
- 足の裏に優しい床材を取り入れる
- ケージを清潔な状態に保つ
- 広めのケージを使用する
ソアホックにならないためには、後ろ足のかかとになるべく負担をかけないようにすることが大切です。
肥満になると動きが鈍くなるうえに、かかとへの負荷も大きくなります。
また、運動不足だったりケージが狭すぎると動く機会が減ります。
うさぎはじっとしている状態だと後ろ足に重心がいってしまうので、なるべく活動を制限しないように心がけましょう。
実際に症状をみてみよう!
黄色の円で示している部分が、足底部の皮膚炎を起こしています。
出典:もねペットクリニック
こうやって症状は悪化していく
初期は痛みもなく症状が出にくいため、飼い主も気づかないことが多いようです。
症状は以下のように進んでいきます。
- 小さな脱毛ができる
- うみがたまる
- 厚いタコのような状態になる
- ただれや潰瘍(かいよう)ができる
症状が進行するとうさぎが足を気にしたり、かばうように歩いたりするようになります。
足の痛みから食欲がなくなったり元気がなくなったりする場合もあります。
あまりに症状が進行すると、皮膚の炎症が骨まで行ってしまい、「骨髄炎」や「敗血症」などを引き起こす可能性もあります。
感染しやすい細菌には以下のようなものがあります。
- 黄色ブドウ球菌
- パスツレラ菌(Pasteurella multocida)
感染の多くはこの2つが原因となります
ほかには「緑膿菌」「レンサ球菌属」「リステリア属」などもあります。
細菌感染が起こると症状がさらに重くなってしまう可能性があります。
そのためもしソアホックになった場合は、獣医師の指導に従い、患部を清潔に保つよう消毒や洗浄を心がけましょう。
どんな治療で治すの?
軽傷の場合、治療は必要ありません。
脱毛があまりなく、細菌に感染していなければ病院に行く必要はありません。
うさぎの足に負担がかからないように環境を整え、足の様子を毎日観察してあげましょう。
市販の軟膏を使ってもいいの?
軟膏などの塗り薬は、舐めてしまう可能性が高く、うさぎさんには使えないことも多いです。
軟膏を塗ると、うさぎが気になってしまい舐めてしまうため、自己判断で市販の塗り薬を使用することはやめましょう。
獣医師に診断をしてもらったうえで、適切な処置を仰ぐのが一番です。
うさぎ専用の軟膏もある
うさぎ専門店「うさぎのしっぽ」では、ソアホックにも使える軟膏を販売しております。
食べ物が原料で舐めても安心なので、軽症の場合は様子を見ながら使用してもいいでしょう。
ただ繰り返しになりますが、自己判断はせずに、まずは獣医師に見てもらうのが確実です。
進行した症状の場合、抗生物質などの治療が必要です。
ソアホックが重症化している場合は、病院で各種検査(レントゲン撮影、血液検査、培養検査)を行います。
患部を洗い、消毒したうえで抗生物質を投与します。
また、必要に応じて鎮痛剤や包帯で処置を行います。
炎症が骨まで進んでしまっている場合は、幹部の切除を行い、そして毎日生理食塩水で患部を洗います。
その後、細菌感染を防ぐために抗生物質入りの治療用ビーズをいれなければいけません。
治療が終わるまで数ヶ月かかることもあります。
【まとめ】事前の予防がもっとも大事!
ソアホックは進行するとなかなか治りにくい病気です。
しかもうさぎは体調が悪いのを隠そうとする生き物です。
そのため、ソアホックに関しては予防に力を入れ、なおかつ早期発見・早期治療することが大切です。
<この記事の参考文献・サイト>
大野瑞絵『よくわかるウサギの健康と病気』誠文堂新光社、2018年。
もねペットクリニック
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